ポーランド共和国 (Republic of Poland) | |
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国土面積 | 312,685平方キロメートル(ヨーロッパで9番目) |
人口 | 3,985万人 |
首都 | ワルシャワ |
通貨 | ズオーチ(PLN) |
言語 | ポーランド語 |
在留邦人数 | 1,848名 |
ポーランドで投資する強み
- 安定した政治
- 高い教育を受けた人材
- 国内消費の大きさ(EU6位の人口数)
- 安定した経済発展と低いインフレーション
- 欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)、経済協力開発機構(OECD)、世界貿易機関(WTO)、シェンゲン領域のメンバー
国際連合貿易開発会議の2014年世界投資レポートによると、ポーランドは2014年から2016年魅力ある投資先ランキングで世界13位を得ました。
参考文献
1. 経済特区における優遇支援 (法人所得税の免除)
ポーランドには14の経済特区が設けられています。特区内での新規投資案件に対して、投資額の最高50%まで法人所得税の免除が受けられます。
ポーランドの法人所得税は19%。公的優遇支援の上限額に達するまで、あるいは2026年まで、企業は法人所得税の納税を免除されます。
また、優遇支援に関する改変が2018年、2019年、そして2021年に行われています。
2018年には、近年の市場の動向や投資家の要望に対応すべく、新規投資案件に対する法人所得税の免除が、公有地、私有地に関わらず、ポーランド全土においても行われるよう変更されました。
2019年には、未開発の鉱床が存在する土地での投資案件が助成の対象として新たに追加されました。これにより、法人所得税の免除を受けられる地域は拡大し、投資機会が大きく増えたと言えます。
2022年には優遇支援率を示した地図に改変が行われました。
2022-2027年の優遇支援率の地図
投資額として計算されるものは:
A. 土地購入・永久使用権にかかる支出、建設費、固定資産費、土地や建物の賃料(5年以上の使用)等
B. 新規雇用(2年継続)に必要な経費:従業員の税込給料、その雇用に関わる経費
優遇支援の上限額=支援レベルの上限係数(%)x 投資額①または②で計算されます。
経済特区に入る条件として:
A. 最低投資額 100 000ユーロ
B. 特区内での活動期間5年以上 (中小企業の場合は3年以上*)
C. 雇用する従業員数レベルの維持期間5年以上(中小企業の場合は3年以上*)
D. 投資経費に関係した資産の所有権移転禁止5年以上(中小企業の場合は3年以上*) を満たすこと。
経済特区でビジネス活動を行い、優遇支援を受けるためには、経済特区当局(経済大臣)の許可が必要となり、これは投資プロジェクトが始まる前に申請されなければなりません。
*中小企業とは、グローバルに見て従業員数が250人を超えない企業を示す。 注:特区によって、その公的優遇支援の割合が異なります。以下2014-2020年の優遇支援率のグラフ。
2. 政府の助成金
2011-2030年(2019年に改変)の政府プログラム枠では、投資への政府助成金の対象分野として、1)航空、2)家電製造、3)エレクトロニック、4)自動車、電気自動車、5)近代サービス(BSS)、6)食品加工、7)医薬品、8)医療IT、9)ICTなどが挙げられています。
(1) 新規雇用創出に対する助成投資分野 | 新規雇用数 | 新規投資額(100万PLN) | 雇用者数1名あたりの助成額(PLN) |
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近代サービス | 250 または 50(注1) | 1.5 または 0.3(注1) | 12000 または 15000(注1、2) |
CoE (Centre of Excellence) | 150 または 50(注1) | 1.5 または 0.3(注1) | |
研究開発 | 10(注3) | 1 |
*上記表の新規雇用数及び新規投資額は最低数・額
(2) 新規投資に関わる投資経費に対する助成投資分野 | 新規雇用数 | 新規投資額(100万PLN) | 投資額に対する助成額(%) |
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優先的分野 | 100 | 160 | 10 または 15(注1、2) |
イノベイティブ | 220 | 7 | |
研究開発 | 10(注3) | 1 | 15 または 20(注1、2) |
*上記表の新規雇用数及び新規投資額は最低数・額
(3) 新規投資に関わる投資経費に対する助成研修費用に対する助成 |
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新規雇用者一名当につき研修費の最大25%または50%(注1、2) |
注1 社会的・経済的衰退が見られる中都市、失業率が国全体の平均の160%以上の市や郡
注2 ポーランド東部の5都市(Warmińsko-mazurskie, Podlaskie, Lubelskie, Świętokrzyskie, Podkarpackie)
注3 学位取得者に限る(MA, BA, MSc, BSc)
また、助成を受けるにあたっての新たな条件が追加されました。
(1) 質的評価基準を満たすこと
次の6つの基準において、PAIH(The Polish Investment and Trade Agency)による評価が60点以上(100点中)である必要があります。(製造業、近代サービス産業の場合の基準)
1. 構造的な改革への取り組み(高収入ポストを設ける、サービスレベルの向上など)
2. 科学的発展への寄与(教育機関との協力など)
3. 地域のサステナブルな発展への寄与(失業率が高い地域での投資など)
4. 労働者の人権尊重(福利厚生など)
5. 社会的責任・社会への貢献(環境への配慮など)
6. その他(ブランド認知度など)
(2) 高等教育機関との協力
投資案件の継続中は、助成金の最低15%を高等教育機関との協力のための資金とする必要があります。協力とは具体的に次のようなことを意味します。
1. 研究・開発
2. 学習プログラムの実施
3. 博士課程学生の受け入れ(学生の実践的な経験のため)
4. 学生の研修や企業との協力研究の費用提供
(3) 申請に際しての新たな評価要因
1. 投資プロジェクトがイノベイティブであるか
2. 周辺地域・住民の意見(環境への影響など)
3. 分野・業界にもたらすインパクト(3億5000万ズロチ以上の投資の場合のみ)
2011-2020年のポーランド政府プログラム枠で、投資への政府助成金があります。 対象分野は1)自動車、2)航空、3)バイオテクノロジー、4)エレクトロニック・家電製造、5)農業食品、6)近代サービスBPOやSSC、7)研究開発(R&D)
(1) 新規雇用創出に対する助成投資分野 | 新規雇用数 | 新規投資額(100万PLN) | 雇用者数1名あたりの助成額(PLN) |
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自動車、航空、エレクトロニック、バイオテクノロジー | 250 | 40 | 3,200-15,600PLN(800-3,900 ユーロ) |
近代サービス | 250 | 1.5 | |
研究開発 | 35 | 1 | |
上記以外の分野で重要と認められる投資 | 200/500 | 750/500 |
助成金額は、投資の規模、投資の内容など、以下のポイントを考慮して算出されます。
A. 製造業においては:
- 新規雇用者数
- 雇用者数うち、高等教育を受けた者の割合
- ロケーション(どの地方で投資をするか)
- 投資額
- 投資分野
- 国際市場での製造商品の魅力
B. 近代サービス分野においては:
- 新規雇用者数
- 雇用者数うち、高等教育を受けた者の割合
- ロケーション(どの地方で投資をするか)
- その企業によって提供されるサービスの種類
投資分野 | 新規雇用数 | 新規投資額(100万PLN) | 投資額に対する助成額(%) |
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優先的分野 | 50 | 160 | 2-12.5 |
上記以外の分野で重要と認められる投資 | 200/500 | 750/500 | |
研究開発 | 35 | 10 | 10まで |
助成金額は、以下のポイントを考慮して算出される。
- 新規雇用者数
- 雇用者数1人に対する投資額
- ロケーション(どの地方で投資をするか)
政府の助成金の申請はポーランド情報・外国投資庁(PAIiIZ)で行う事ができます。
3. 不動産税の免除
県による支援として、不動産税の免除があります。
免税される対象となる不動産とは:
- 土地
- 建物あるいはその部分
- ビジネス活動が行われている建築物の部分
4. 産業技術パーク
ポーランド各地に約70の研究開発施設が設けられています。その施設では優遇的な条件で研究が進められる環境が整えられています。
5. 研究開発施設に対する優遇税制措置
研究開発施設の地位は、経済省により与えられ、それにより優遇措置が受けられます。その事業に必要な土地・建物の不動産税の免除を受けられます。
6.その他支援
市や県に投資サービスオフィスが設けられており、外国からの投資窓口となっています。その市や県によって独自の投資インセンティブがある場合があります。代表的な投資インセンティブとして
ウッチ市(LODZ):ウッチ労働局に求職登録をしている労働者を雇用した場合の補助金・研修費助成、投資企業のリクルートキャンペーン、学生・企業のプラットフォーム'Youth in Lodz’を提供
注意:政府助成金、不動産税の免除等は、経済特区で受けられる優遇支援額に計算されます
例:経済特区に入り優遇支援額上限が100,000 EUROとされた場合:
政府助成金30,000EURO、不動産税免除額20,000EUROと受けた場合には、所得税免除の対象となるのは最大50,000EUROとなります。
航空
ポーランドは100年以上の航空産業の歴史を誇ります。
大学や技師、学者などが中心となり、この分野の発展を担ってきました。政治の体制が変わった後は、多くの外国企業と協力関係を結び、更なる国際的な発展を遂げました。
現在、ポーランドの航空業界は最先端の商品を幅広く取り揃えており、輸出にも積極的です。世界中のすべての旅客機には、ポーランド製の部品・機器が少なくとも一つは組み込まれていると言っても過言ではありません。
ポーランドの航空分野を牽引するのは200超の企業で、その雇用者数は17900人、年間の売上は12億ユーロに上ります。FDI Intelligence FTによると、航空セクター投資におけるポーランドの立地は、世界でもトップクラスであると言われており、世界有数の大企業もポーランド(主に南東部)に生産、そして研究・開発の拠点を置いています。稼働している工場では、飛行機やヘリコプター、そして各種部品などが製造され、アメリカ、ウクライナ、ロシア、イタリア、アイスランド、サウジアラビア、カナダ、フランス等へと輸出されています。
この分野を支えるのは、高い教育を受けた技師達で、ポーランドでは年間4万人の技術系卒業生(このうち航空専門は530人)を輩出しています。業界と政府機関、そして教育機関との間の密な連携が、優秀な人材の輩出を可能としています。
最先端の技術を誇るポーランドの航空業界ですが、研究・開発を後押しするEUにおける補助金などによって、今後も発展し続けることが予想されます。加えて、ポーランドはヨーロッパにおける宇宙研究分野のプロジェクトにも新たに参加し、自国でも研究・開発を目的とする機関を設置するなど、宇宙航空分野での発展も見込まれます。
ポーランドに投資をしている企業の一部
(Source: PAIiIZ)
自動車産業
ポーランドへの外国企業投資を語る上で最も重要な分野となります。中東欧に40ある自動車工場・エンジン工場のうち、16がポーランドに位置します。ポーランドには、主要自動車メーカー3社が自家用車工場を持ち、数社バス工場、そして100以上の部品・下請け工場があります。2012年のポーランドにおける生産台数は63万台超。最も生産台数が多いのはFiat、2位がVolkswagen、そしてOpelと続きます。主な製品、部品の輸出先はドイツ(28.6%, 5,6bln EURO)、イタリア(12.9%, 2.5bln EURO)、イギリス(8.7%, 1.7bln EURO)、となっています。日系企業の進出では、トヨタ自動車がポーランド南西部に進出し、それと同時に多くの自動車関連日系企業が投資をはじめました。
家電製品
ポーランドにおける家電製品の製造は長い歴史を持ちます。この分野の発展状況は統計数からも見る事ができ、2020年ポーランド統計によると3000万点もの家電製品が製造されていて、これは歴史を塗り替える記録となりました。また、売上はポーランドのGDPの約2.5%である70億ユーロ、そして雇用者数は3万人にも上ります。「EUのほとんどの洗濯機・乾燥機、食洗器はポーランドから来ている」とPAIHが自負するポーランドの家電業界ですが、特に目立つ製品としては製造台数の30%を占める自動洗濯機です。このようなデータからも明らかであるように、調査会社Euromonitorは、「ポーランドはヨーロッパにおける家電製造のリーダーになった」と評価しています。
ポーランドで製造される大型家電製品の大部分は輸出されるもので、2020年の輸出台数は2200万台に上りました。主な輸出先としてはドイツ、フランス、イギリスなどが挙げられます。
ポーランドの立地の良さを生かして、世界的ブランドが工場を建て、家電製造業が発展してきました。多くの企業が輸出向けに製造しています。ポーランドに工場を持つ外資系企業には以下のようなブランドがあげられます。
- BSH Bosch und Siemens Hausgeraete GmbH
- Electrolux
- Whirlpool
- LG
- Samsung Electronics
- Elica
発展を支える要因として:
- 家電製造の長い歴史
- 知識や経験のある労働者の確保のしやすさ
- サプライヤーやビジネス
- パートナーの探しやすさ
- 世界的に大きな企業の存在と、その技術の高さ
- 欧州の中心に位置するという地理的優位さ
- 1200万世帯という国内市場の大きさ
- 外国投資を支える様々な公的支援
家電製造工場の多い地域とそのブランド
Source: PAIiIZ
エレクトロニック
ポーランドにおけるエレクトロニック市場は非常に好調で、2020年の売上は440億ズロチ(約90億ユーロ、2022年8月現在)を記録しました。主な製品としてはデジタル機器、電話、ラジオ、テレビなどで、最も多いのは製造台数が1600万台(2021年)にも上るテレビです。150もの企業が活動し、62500人にも上る雇用を生み出しているポーランドのエレクトロニクス業界は、先述の売上が前年からの6%増であること、輸出額も前年比13.4%増などの点から、今後も更に成長していくことが見込まれます。
最も重要な外国からの投資企業としては:
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• DELL(デスクトップコンピューター)
• Flex(携帯電話関連機器)
• Humax Poland(ビデオレコーダー、テレビ)
• Jabil(電気製品の部品)
• Kimball Electronics(携帯電話、自動車の機器)
• LG Display Poland(液晶ディスプレイ)
• LG Electronics(テレビ、その他機器)
• Nokia(携帯電話関連機器)
• Sharp(テレビ)
• TCL Operations Polska(電気製品)
• TPV Technology(コンピュータモニター)
• Vestel(テレビ)
ポーランドに拠点を持つ企業とその地域
Source: PAIiIZ
自動車・電気自動車
ポーランドはヨーロッパにおける自動車関連の投資の第一線を走る国です。2015年から2019年の間は、ポーランドの自動車部品業界が世界で最も早い成長率を誇っていました。結果として、2021年からの過去10年間で、ポーランドの自動車業界の売上は100%増の成長を遂げました。また、ポーランドは技術系の教育に強いことから、今後も優秀な人材が輩出され、自動車業界も発展していく見込みです。
ポーランドは電気自動車の分野にも力を入れており、2030年までには公共交通の車両の半分を電気に、あるいはハイブリッドにするという目標を掲げ、ヨーロッパ最大の規模となるバッテリー工場を計画、高度な技術力を活かしコストダウンを実現するなどしています。
近代サービス(BSS)
近代サービス(BSS:ビジネス・サポート・サービス、またはビジネス・プロセス・アウトソーシング、シェアード・サービス)の最も適した地として中東欧が注目される中、ポーランドは最も良い土台をもつ国として多くの企業に支持を受けています。実際、ポーランドでは30万人以上がこの業界に従事しており、これは中東欧全体の約半分ほどにあたります。
近代サービスにおけるポーランドの強みとして、幅広い言語に精通する優秀な人材が多いこと、ポーランドの地理的優位性、投資のしやすさ、安定した経済などが挙げられます。投資が盛んに行われている地域は数多く、中でもクラクフ、ワルシャワ、ヴロツワフには国際的な企業も拠点を置き、市場としても成熟しています。加えて、より専門的な知識を要する事業を展開するために、ポーランドに拠点を置くという企業が増えており、ポーランドの近代サービス組織は次々とプロフェッショナル集団になっていると言えます。
一方で、事業拡大のポテンシャルも兼ね備えており、幅広い言語でのサービス、経済的な安定性などの強みが評価され、ヨーロッパだけでなくアジアや南米からも近代サービスの拠点の候補としても支持を得ています。
ポーランド(東部)における近代サービス産業
Source: PAIiIZ
ポーランド(西部)における近代サービス産業
Source: PAIiIZ
食品加工
食品業界はポーランドにとって最も重要、且つ大きな成長を見せている分野です。市場規模としてはヨーロッパ6位、輸出額は370億ユーロという記録を打ち出しています。幅広い食品・作物においてリーダー的なポジションを獲得しているポーランドですが、中でも肉類、魚、パン、チョコレート製品、飼料、チーズ・凝乳、小麦などが輸出において高い売上を誇っています。
1990年代からは世界的なメーカーであるHeinzやUnileverなどがポーランドへ進出を始め、現在も海外からの投資は盛んに行われています。投資先としての人気を支え続けているのは豊富な土地、流通の拠点としてのポーランドの地理的な強みなどです。様々な大手海外メーカーがポーランドで活動する一方で、Wyborowa Sobieski(ウォッカ)やTymbark(ジュース)などの国内メーカーも台頭しています。
ポーランド政府もこの食品業界を重要視しており、既存ビジネスの拡大や新規参入を援助する制度も設けています。
主な海外の食品企業
Source: PAIiIZ
主なポーランド食品企業
Source: PAIiIZ
医薬品
ポーランドの医薬品業界はまだ成長段階にありますが、GDPの1%ほどを占め、約10万人の雇用を生み出しており、2019年には投資の総額が約6億4000万ユーロに上りました。更に、2019年の輸出は前年から11%増、研究・開発への投資に関してもポーランドは中東欧でもトップクラスで、日々イノベーションが進んでいると言えます。
加えて、医学・薬学系の卒業生の人数は中東欧で1位、ヨーロッパでは5位と、今後この業界の発展を支えていく優秀な人材も見込めると言えます。
医療IT
国内市場の大きさ・成長、研究・開発を促進する制度や施設が充実している点などが、ポーランドの医療IT業界を支えていると言えます。その市場価値は110億USDに上り、2024年には138億USDに到達すると予想されています。
ポーランドの医療IT市場の魅力としては他にも、EU加盟国であるゆえに高い品質水準を誇ること、生産・輸出の上昇傾向、優秀な教育システムおよび人材、国内企業の急成長、そしてイノベーションを促進する取り組み(政府の支援、研究開発施設の増設など)の数々などが挙げられます。
また、ポーランドの医療IT市場を取り巻く環境は現在も活発であることが伺えます。医薬品開発業務委託機関は50、関連するスタートアップ企業は100程に上り、医学・薬学系の学部卒業生は年間64000人以上輩出されています。
ICT
ポーランドにはおおよそ5万程のソフトウェア企業(中小・大企業)が存在し、当業界は43万人の雇用、そして国のGDPの約8%を担っています。
ポーランドのIT業界の歴史はまだ長くはありませんが、優秀な人材を活かし、日々高まる需要に対応すべく成長を続けています。ポーランドのプログラマーは世界でもトップクラスとされており、中国、ロシアに次いで世界第3位を誇ります。ITや経営のスペシャリストを目指す生徒も多く、それぞれの分野における卒業生は年間11000人、そして62000人に上ります。開発にも積極的で、中東欧においては投資額が後続の倍以上で1位となっています。
ITの社会への導入も進んでおり、スマートフォンの普及率は中東欧では1位、世界では13位、デジタル銀行・海外送金サービスRevolutの市場成長率はヨーロッパ2位、そして国内のカード決済の90%が非接触です。
Malopolska県
ポーランド南部に位置するMalopolska県は、経済的に最も多様化している都市として位置付けられています。県都のクラクフは、966年から1596年までポーランドの首都として栄え、現在もなおポーランドの文化と娯楽の中心地として、またヨーロッパの東西南北の交差点として多くの観光客を惹きつけています。世界遺産のヴァヴェル城やポーランド最古でコペルニクスが学んだことで知られるヤゲヴォ大学があります。鉄道やバスでの周辺都市や諸国からのアクセスもよく、最近ではRolls RoyceやSamsungも投資をしました。 | |
面積 | 15,183 km2 |
人 口 | 3,408,500人 |
県都 | クラクフ (Krakow) |
その他の県内都市 | Tarnow, Nowy Sacz, Oswiecim, Chrzanow, Olkusz, Nowy Targ, Bochnia, Gorlice, Zakopane, Skawina, Wieliczka, Andrychow, Trzebinia, Wadowice, Kety, Myslenice, Libiaz, Brzesko, Limanowa |
経済特区 | Kraków Technology Park |
産業団地 | Kraków Technology Park, Park Life Science in Kraków, Industrial Park “Czysta” in Tarnów, Industrial Park “Mechaniczne” in Tarnów, Green Industrial Park “Krysztalowy” in Tarnów |
国際空港 | Krakow Airport |
Lodzkie県
ポーランドの中央に位置するLodzkie県は、衣類・繊維業が盛んな地域として古くから知られてきました。現在では、加えてエネルギー産業、食品業、建設業など産業の中心地として栄えています。県都のウッチは、19世紀に建てられた工業団地群で有名です。市内にはヨーロッパ最大の都市森林公園とユダヤ人墓地もあります。 | |
面積 | 18,219 km2 |
人 口 | 2,440,000人 |
県都 | ウッチ (Lodz) |
その他の県内都市 | Belchatow, Pabianice, Piotrkow Trybunalski, Tomaszow Mazowiecki, Zgierz |
経済特区 | Lodzka SEZ |
産業団地 | Industrial and Technological Park of Belchatow and Kleszczow Kutno Agro-Industrial Park BioNanoPark (old Lodz Regional Park of Science and Technology) Boruta Zgierz Industrial Park |
国際空港 | The Wladyslaw Reymont Airport in Lodz |
Wielkopolskie県
ポーランド西部に位置し、経済成長、高レベル産業化、そして進んだテクノロジー化と外国市場への寛容性のバランスが取れている都市として評価を受けています。国際展示会のThe Poznan International Fairが毎年開かれており、80年もの間、東ヨーロッパのビジネスエキスパートの集まるイベントとして知られます。県都のポズナンは、10世紀にポーランドの基礎を築いたミェシュコ1世が最初に治めた土地であり、歴史の深い街です。国内最高レベルの医療大学があり、学生街としても賑わっています。 | |
面積 | 29,826 km2 |
人口 | 3,491,410人 |
県都 | ポズナン (Poznan) |
その他の県内都市 | Kalisz, Konin, Leszno, Pila, Ostrow Wielkopolski, Gniezno, Wrzesnia |
経済特区 | Walbrzyska Lodzka Kamiennogorska Kostrzynsko-Slubicka Pomorska Slupska |
産業団地 | Nickel Technology Park, Poznan Science and Technology Park, Poznan Technology – Industry Park, Nobel Tower, Investment Park Srem/Zbrudzewo, Luvena – Industry Park |
国際空港 | Poznan Airport |
Kujawsko-pomorskie県
ポーランド北部に位置し、長く工業と農業の街として発展してきました。農・工・化学機械の分野に加え、近年では電子機器分野での投資も増えています。Sharpと子会社のLysomiceがトルンの近くに生産拠点を有しています。トルンは地域をあげて、エコフレンドリーなテクノロジーソリューションを推進しており、現代的なビジネスの中心地とも言われています。 | |
面積 | 17,972 km2 |
人 口 | 2,083,900人 |
県都 | ビドゴシュチュ (Bydgoszcz) |
県議会所在地 | トルン(Torun) |
その他の県内都市 | Wloclawek, Grudziadz, Inowroclaw |
経済特区 | Pomeranian Special Economic Zone |
産業団地 | Bydgoszcz Industrial and Technology Park Grudziadz Industrial Park Torun Technology Park Solec Kujawski Industrial Park Vistula Park Swiecie Vistula Park II in Swiecie Wloclawek Economic Development Area - Industrial and Technological Park |
国際空港 | Bydgoszcz Airport |
Lubelskie県
ポーランド東部に位置し、重要な農業地帯として位置付けられています。また、自然・医療化学で著名な科学研究機関があり、アカデミックのレベルも高いことでも知られています。再生可能エネルギー資源開発が発達し、ビジネスのアウトソーシング分野での成長が期待されている地域です。 | |
面積 | 25,122 km2 |
人 口 | 2,086,400人 |
県都 | ルブリン(Lublin) |
その他の県内都市 | Chelm, Zamosc, Biala Podlaska, Pulawy, Swidnik |
経済特区 | Tarnobrzeg Starachowice Mielec |
産業団地 | Lubelski Park Science and Technology Pulawy Industrial Park Regional Industrial Park Swidnik |
国際空港 | Lublin Airport |